日本人がこよなく愛する武士道は、さまざまな形で、それが生まれた階級以外にも広がっていきました。

そして、大衆の中で日本人全体のための道徳規準を生み出したのです。

初めはエリートだけが武士道を誇っていたのですが、やがて、国民全体が武士道を熱心に追求し、そこから刺激を受けるようになりました。

さすがに一般大衆は、武士の道徳のように高遠な倫理レベルを達成することはできませんでしたが、大和魂はこの島国の民族精神を表すに至ったのです。

宗教が感情に彩られた倫理性にすぎないとすれば、武士道ほど宗教と呼ぶにふさわしい倫理体系はないといえるのではないでしょうか。